絵を上達させるためにはコツコツと模写を繰り返すことが効果的!
しかし、模写のやり方を教えてくれる人やサイトは少ないのが現状です。その結果、多くの人はなんとなくお手本を「描き写している」だけの状態になってしまっているのです。
そのようなことを繰り返していると、大切な時間ばかり浪費して全く絵は上達しないという状態におちいってしまいます。
本日は、やってはいけない「上達しない模写のしかた」について紹介します。心当たりがある人は、今日からキッパリやめるようにしましょうね。
ちなみに、「正しい模写のしかた」は、以前こちらで紹介していますので、興味のある方は見てみてくださいね。
目次
模写は「描き写す」ことだと思っている
模写をやり始めた人が最も多く陥りがちなのがこの間違いです。
模写とは、絵を描き写す中で、その作品を書いた人がどのような考えでその線を描いたのかという風に、作者の思考を再現しながら身につける練習法です。こうすることで自分の思考が作品の作者に近づき、絵が上達するという仕組みなのです。
ですから、模写は決して出来の良いコピーを作成することではありません(もしそうなら、コピー機を用意した方が高い完成度を得られます)。
模写をしているときに、何も考えず「描き写す」作業を繰り返していても、「描き写す」ことはうまくなるばかりで「自分の絵を描く」ことは決して上達しません。
模写は、作者の思考をコピーすることであり、絵をコピーすることではない、ということに気づくことが模写の効果を高める最初の一歩です。
模写をしているうちに自分の画風になってしまう
模写をしていても、いつの間にかいつもの自分の画風で描いてしまっているという間違いです。このパターンの間違いをしてしまう人もかなり多いです。特に、目や髪、手などの難しく重要なパーツでその傾向が表れることが多いです。
模写対象の難易度が高い場合は、その画風をマネして描くことが難しいです。そのため、ついつい描きなれた自分のタッチや癖で描いてしまうことが原因です。
模写は、お手本の画風の良いところを吸収するためにマネをして描く練習法です。自分の画風で描いてしまっては、その効果が得られないだけでなく、自分の悪い癖をさらに補強してしまうことにもなってしまいます。
難しい絵を模写することはつらく難しいことですが、上達のために必要なことと割り切って、積極的にチャレンジするようにしましょう。
時間を決めずに長時間模写する
何事もそうですが、時間を決めずにやると注意が散漫しやすく、ダラダラと時間をかけがちです。
練習は長い時間であるほど良いと思っている人もいますが、それは間違いです。練習は、短時間でもしっかり集中した方がより身に付きやすいのです(もちろん、長時間集中できるのならなお良いです)。
ダラダラと時間ばかりかけないためにも、模写を行う前に、かける時間を決めてから取り組むようにしましょう。
別の何かをしながら模写をする
本当に集中しようと思うと、人間は一つのことしかできません。
テレビをつけたまま模写をしたり、お菓子を食べながら模写をしたりするのは当然よくありません。注意しているつもりでも意識があちこちに散ってしまいますし、手がときどき止まってしまい効率的ではありません。
模写をするときは、模写のみをするようにしましょう。
クラシック音楽を聴くくらいなら邪魔にならずリラックスできるのでセーフかなと思います。
ゴールを考えずに模写をする
なんとなく絵を描き写して、なんとなくそれっぽい絵ができたので模写を終了する。これもなかなか上達しないパターンです。
模写という練習を通して、自分が何を学びたいのか、どのように変わりたいのかがあやふやなままとりあえず作業だけやってしまっているのです。目的意識があいまいなので、時間をかけてもいまいち模写の効果が出てきません。
これを防ぐためには、模写をやる前に今回の模写で何を学ぶのかを事前に意識しておく必要があります。例えば、「この作品からはダイナミックなポーズのつけ方を学ぼう」とか、「この作品からは肌の柔らかさを学ぼう」といった気持ちをもって模写にのぞむということです。
そして、事前に意識したことが自分の身についたなと思ったら模写をやめても良い時です。もっと言えば、模写が作品の一部しかできていなくても、目標を達成できたならば途中でやめてしまっても良いわけです。
逆に、絵をすべて模写し終わった後、もし身についた感じがしないようならば、同じ絵を2度3度と繰り返し模写することもアリですよ。
輪郭だけを模写する
普通に模写をしていると、単純に線の向きやカーブのみ描き写す、つまり輪郭のみ描き写すやりかたになってしまいがちです。その結果、模写が終わった後の絵を見てみると、均一な線で輪郭のみを描き写した、なんだか味気ない絵になってしまいます。
プロのイラストレーターは、線の太さやカケアミなどの特殊効果など、さまざまな工夫をこらして作品を素晴らしいものに仕上げています。模写をするときは、そういったイラストレーターの工夫も合わせて描き写すことが重要です。
輪郭だけではなく、絵に施された工夫は認識できる限りすべて、模写するようにしましょう。
同じ絵・同じ作者の絵ばかり模写する
同じ絵や同じ作者の絵を模写し続けることには、メリットとデメリットがあります。
まずメリットは、特定の作者の画風を効率的に習得することができること。「とにかくこの作者の画風をどうしても習得したい」と思っている場合にはとても有効です。
デメリットは、画風が偏ってしまいがちだということです。
同じ画風の絵ばかり模写しますので、その画風の良いところも悪いところも習得し、いい意味でも悪い意味でもその画風のコピーになってしまいます。絵描きの画風の進化は一方通行ですから、一度習得した画風を修正するのはかなり難しいです。偏った悪い癖を一度つけてしまうと、将来の画風の方向性の選択肢を狭めてしまうことになってしまいます。
メリットを最大限に生かし、デメリットを防ぐためにはどうすればよいでしょうか?
広く浅くいろんな作品を模写し、その中で好きな絵・好きな作者の絵を重点的に模写することです。こうすることで、自分の画風の方向性の選択肢を広く持つことができ、なおかつ目指す画風を重点的に伸ばすことができます。
興味のない部分を模写しない
顔だけは上手に書けるのに手や足が残念だったり、女の子はうまいのに男性や背景は全然ダメだったりという人、結構います。
どうせ模写するのなら、自分の好きなものや部分を模写してしまうのが人情というもの。しかし、そんなことばかりやっていると上で紹介した人たちのようになってしまいます。
模写をするときは、自分に興味のないものをあえて模写することが重要です。特に、自分が描いたことのないもの、苦手なものを模写すると練習の効果が大きくなるのでオススメです。
モノクロしか模写しない
モノクロの絵しか描かないと決めていたとしても、たまにはカラーイラストを模写しましょう。
線画だけでなく、配色や塗り方を、どうやって塗ったのかを考えながら描き写していくのです。いつも模写しないものをあえて模写することで、モノクロの絵に活かせるアイデアをひらめいたり、モノクロの絵に活かせそうなカラーイラストの模写を見つけることもあります。
逆に、普段カラーイラストしか描かない人は、モノクロイラストを模写するのも良い効果を産みます。
■ベタを塗らない
ベタを軽視して塗らず、線画の模写のみで済ませてしまう人は多いと思います。
ベタは、モノクロの漫画で雰囲気を出したり、画面を引き締めたりする大切なテクニック。シンプルですが奥が深く、上手に使うと作品を強力にレベルアップしてくれる技術です。面倒くさがらずにちゃんと塗って、その効果を自分の手で体験することが大切です。
難しい絵を避けてしまう
完成度の高い絵を見たときに、「まだ自分には早い」と模写することを敬遠していませんか?
そんなとき、あなたは模写したあとのことを想像して、できた模写作品の出来栄えがいまいちだった時にガックリすることを恐れているのではないでしょうか。
ここまでにもお話したのですが、大切なのは模写してできた作品の出来栄えではありません。模写する中で、あなたが何を学んだのかが一番大切なのです。
それに、模写は模写対象の作品と自分の実力の差が大きいほど、練習の成果が出やすいです。模写が上達した時にやろうとして先延ばしするのではなく、今すぐに取りかかることを肝に銘じておきましょう。
まとめ
今回は、やってはいけない「上達しない模写のしかた」を10個紹介しました。最後にそれを振り返ってみましょう。
- 模写は「描き写す」ことだと思っている
- 模写をしているうちに自分の画風になってしまう
- 時間を決めずに長時間模写する
- 別の何かをしながら模写をする
- ゴールを考えずに模写をする
- 輪郭だけを模写する
- 同じ絵・同じ作者の絵ばかり模写する
- 興味のない部分を模写しない
- モノクロしか模写しない
- 難しい絵を避けてしまう
なお、こちらの記事では絵がグングン上達する人の習慣についての考察を掲載しています。興味がある方はのぞいて見てくださいね。
チュンすけ
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