絵を模写すると、著作権侵害になるの!?SNS時代に知っておきたいイラスト著作権のこと

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漫画やイラストなどの創作物には著作権があります。漫画やイラストを模写したり、模写したものをツイッターに掲載したりすることは、著作権の侵害になるのでしょうか。今回は、そんな疑問を一気に解決する著作権のお話をします。

著作権の基本的なところ

模写の著作権について語るためには、まず著作権の基本的なことを説明する必要があります。

イラストやキャラクターなどすべての著作物は、創作された時点で著作権が認められます。例えば、あなたが長い時間をかけて完全オリジナルキャラクターを考えて公表したとします。そうすると、あなた以外の人がそのキャラクターのグッズ勝手に作って販売したり、そのキャラクターのイラストやお話を作ったりしてはいけないことになります。そうでないと、苦労してキャラクターを作り出したあなたは骨折り損になってしまい、創作意欲をなくしてしまいますよね。このように、著作権は創作をする人の味方になってくれる権利なのです。

さて、この著作権には例外もあります。それは、個人的な利用範囲であれば、著作権を侵すことはないということです。また例を言うと、誰かが創作してインターネット上に公開しているイラストを、あなたが紙に印刷して自分の部屋に飾ったり、マグカップに印刷して自分の家で普段使いしたりするのは著作権侵害にはあたらないということです。これならば、イラストを描いた人に損をさせることはないですよね。同様に、模写においても、自分のノートに他人のイラストを模写して、自分で見たりそっとしまっておいたりするのなら大丈夫です。

しかし、イラストを模写したものを公表したり、商用にしたりすることは基本的にアウトです。「もとは他人のイラストだけど、直接的には自分が描いているからいいでしょう?」と思われるかもしれません。しかし、他人の創作物を参考にしている以上、そのひとが創作するためにかけた時間や苦労を無断で奪っていることになりますよね。

では模写の公表や販売は全くダメかというと、そうでもありません。下の章では、上の基本を踏まえたうえで、模写の公表、販売をできる範囲について説明していきます。

二次創作を認める著作権者もいる

現時点で、著作権侵害は親告罪とされています。「著作権者に訴えられなければ、罪に問われることはない」ということです。だから、著作権が法律で認められているとはいえ、罪になるかどうかは著作者の考え方次第ということです。

これを踏まえたうえで、二次創作の許可を明言している著作権者もいることをお話しします。創作者自信が、ホームページやSNSなどで、自分の創作物を二次創作に使ってもいいことを表明している場合があるのです。有名なところで言えば、「東方project」や「艦隊これくしょん」などのコンテンツがそうですね。こういったコンテンツは、大手を振って模写しても、SNSへ模写画像をアップしても良いわけです。

ただし、商用利用については認めていないことが多いので、詳しくはコンテンツの公式ホームページなどでガイドラインを調べることをおすすめします。

日本の二次創作に対する文化的土壌

日本では、アマチュア作家が漫画やイラストを描く文化が古くから根付いています。そのため、二次創作に対する考え方にも特色があります。

コミケなどでは、有名な漫画やキャラクターを真似して描いた本やグッズが売られています。本を売っていた参加者が補導されたという話はあまり聞きませんが、看過されているのはなぜでしょうか。コミケなどに代表される二次創作の世界には、「次世代の創作者を育成する」という役割があると考えられています。アマチュア作家が二次創作作品を作るうちに、自分のオリジナル作品をつくる技術やノウハウを成長させていくということですね。

このことを漫画やキャラクターを描いている著作権者も感じているため、コミケなど公序良俗の範囲で行われている活動については、敢えて自分の権利を強調することはしないというわけです(もし権利を振り回すようなことをすれば、多くの人から総スカンを喰らうことでしょう・・・)。

模写をSNS等に投稿することについても、これの延長線上と考えてよいと思います。

結局、模写をSNSに投稿するのはOK?

基本的に模写をSNSに挙げる行為は、上に挙げたような好意に守られているため基本的に大丈夫と考えてよいです。

ただし、よほど悪質で、創作者の権利を積極的に奪おうとすることは当然ダメです。例えば、明らかに別の原作者がいる作品を模写してSNSに掲載し、自分が原作者であると主張するようなことはダメです。また、キャラクターを侮辱したり、世界観を大きく損なったりすることもアウトです。このようなことをしてしまうと、訴えられてしまう可能性がありますし、それ以前にSNSアカウントが大炎上してしまうことは必至でしょう。

模写を公表する場合は以下のことを一緒に書いておくと無用なトラブルを避けることができますよ。

  • 原作名や原作者名を書く
  • 「原作の模写作品です」とか「ファンアートです」と明記する。

模写した作品で本やグッズを作るのはOK?

完全に模写したものをそのまま本やグッズにするのはNGです。丁寧に模写やトレスをしてしまうと、原作と変わらなくなってしまいますからね。

しかし、上に示した通り、二次創作であり、公序良俗を積極的に守っているような集まりや団体であれば大丈夫です。例えばコミケなどの同人誌即売イベントや、メロンブックスなどの同人誌販売専門店に委託販売する行為はOKと言えるでしょう。ただしその場合も権利を損なわないよう、ガイドラインや約款などをしっかり読むようにしましょう。

逆に二次創作でも著作権侵害になる場合は、勝手に自分が販売する場合です。例えば、自分の販売サイト、オークション、メルカリなどを使って大量に本やグッズを販売する場合は著作権侵害にあたる可能性があります。もしどうしてもそのように販売したい場合は、法律事務所などの専門家に確認したり、著作権者(本人や事務所)に許可を取ったりしたうえで行わなければなりません。

気をつけること

最後に、著作権にまつわる普段やりがちなことについてついでにご説明します。

背景のトレスや模写はNG

漫画やイラストの背景に困ったときなど、インターネット上にある画像を参考にしたいときもあると思います。Googleアースなどを使えば、無尽蔵に手に入れることができますよね。しかし、インターネット上の写真にも著作権がありますので、基本的にこれは著作権侵害となります。

模写やトレスをする場合は、著作権フリーであることが明記されている写真を使うようにしましょう。

デザイン自体に著作権がある場合。

自分で撮った写真であっても、漫画やイラストの背景にすると著作権違反になる場合があります。建物のデザインそのものに著作権がある場合です。デザイナーズマンションなど、デザイン自体に独自の創造性がある場合がこれにあたります。

一般的な建物ならば大丈夫ですが、変わった見た目の建物は、公表したい漫画やイラストの背景に使わないほうが無難でしょう。


まとめ

いかがでしたか?今回は、模写した絵と著作権侵害についてご説明しました。知ったあとになると、思っていたより怖くないことが分かったのではないでしょうか。ぜひ参考にしてくださいね。

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