絵の上達の奥の手、フィギュア模写で立体表現力を鍛えよう!予算100円〜

絵画を描くミカ 模写
ミカ
ミカ
人や物のイラストを立体的に表現するのってむずかしい!何かいい練習法ってないかな?

絵の上達の近道は、コツコツと模写を続けて上手い人の技術を学ぶことです。このサイトでも、基本の練習としての模写の実践をすすめる記事をいくつか掲載しています。

しかし、実は普通に模写しているだけでは成長しにくい画力があるのです。それは、立体の表現能力。平面の絵ばかり模写していると、人物や物体を立体的に表現する能力が不足してしまいがちなのです。あなたの絵は、「上手いのになんとなく平面的でペッタンコな絵」になっていませんか?

今日は、私が学生のころから実践している立体表現能力の練習である、「フィギュア模写」を紹介します。これを行うことによって、以下のような効果が期待できます。

  • 物体を立体的に描ける。
  • 頭の中で立体をグルグル回せるようになる。
  • 人物や物体を、何も見ずにいろんな角度から描けるようになる。
  • イラストの画面がなんとなく寂しい感じを解消し、ダイナミックな表現が可能になる。

記事の中では、私が実際にフィギュア模写を行っている様子や、素材であるフィギュアを安く簡単にそろえる方法を紹介していきますよ。

それでは、さっそく紹介していきましょう!

フィギュア模写のやり方

フィギュア模写は、その名前のとおり、アニメやゲームキャラのフィギュアを見ながら、紙などに模写することです。クロッキーやデッサンに近いと言えるかもしれません。さっそく手順を用意しましょう

模写素材(フィギュア)を用意する

まず、模写の素材となるフィギュアを用意します。もしお気に入りのフィギュアがある場合はそれを使ってもOKです。また、詳しくは後述しますが、手持ちのフィギュアがない場合も安価で手軽に購入することができます。

どの角度から描くかを決める

どの角度から描くかを決めますが、この時できるだけいつも描かない角度か、自分が苦手とする角度を選ぶと効果的です。具体的に言うと、以下のようなポーズを選ぶようにするとよいと思います。

  • 俯瞰・アオリからの角度
  • 顔に手などがかかるポーズ
  • 平面的に見えず、立体感が引き立つポーズ

模写する

実際にフィギュアを見ながら紙に模写していきます。紙に描いてもいいですし、ペンタブレットで描いてもOKです。下のような手順で描いていきましょう。

  • まずポーズや輪郭を意識してアタリをとる。
  • 細部を書き込んでいく
  • 影やマンガ効果などを書き込んでいく

上の手順だけではわかりづらいかもしれません。この記事の下部で、実際に私がフィギュア模写をしている様子を写真を使って紹介しますので、参考にしていただけると良いと思います。

同じフィギュアを、角度を変えて繰り返し何度も模写する。

一度模写し終わっても、同じフィギュアを何度もいろんな角度から模写しましょう。全体を模写してもいいですし、気になるパーツだけをピックアップして模写してもいいです。

いろんな角度から模写を繰り返すことで、頭の中に形状がインプットされ、フィギュアを見なくてもいろんな角度から描けるようになります。ふだん絵を描く時にも頭の中の立体を参考に描けるようになるので、立体の表現力が向上するのです。

フィギュアを手に入れよう

フィギュアはどうやって手に入れるのでしょうか?選び方は?買い方は?順番にご紹介していきます。


やっぱり高価なフィギュアを買うべき?

フィギュアは一般的に言って、高価なものほど精巧で出来が良く、安価なものほど作りが荒いです。安価なものは数百円程度、高価なものは2万円くらいまであります。模写用に買うとしたら、どのランクのものを買えばよいのでしょうか?やはり作りが精巧な高いフィギュアを買う方がいいのでしょうか?

結論を言うと、高価なフィギュアを買う必要はありません。数百円のフィギュアでも模写においては高価なフィギュアと同様の効果があります。なぜなら、フィギュア模写ではフィギュアを精密に紙に写し取ることを目的にしているわけではないからです。

フィギュア模写では、フィギュアの造形をもとに、いろんな角度から見た立体の見え方を学習することがメインです。その際、例えばフィギュアに目や鼻などの少し荒い部分があったとしても、模写している絵の方で修正してしまえば良いわけです。つまり、作りが荒いフィギュアでも立体の見え方の学習には支障がないのですし、そのまま作りが悪い状態を紙に描き写すわけではないということですね。

どんなフィギュアを選ぶのがいいの?

さて、では具体的にどのような基準でフィギュアを選べばよいでしょうか。私は、下のようなことを基準に選ぶことを推奨しています。

  • 棒立ちではなく、派手なポーズをとっているものを選ぶ
  • 描くのが苦手なポーズをとっているものを選ぶ
  • 衣装のバランスやシワが参考になるものを選ぶ
  • 大きさは小さくてもOK
  • 高価なものでなくてもよい
  • 作りの荒いものでもよい

アクションフィギュア(可動フィギュア)を買うべき?

アクションフィギュアなら、いろんなポーズをとることができるから、1体持っているだけでいいんじゃないの?と思われた方もいるのではないでしょうか。しかし、私は以下の理由からアクションフィギュアはおすすめしていません

まず、ポージングが思っている以上に難しく、時間がかかることがあります。フィギュアのポージングに時間を割くくらいなら、模写のために使ったほうが効率的というものです。最初から素晴らしいポーズをしているフィギュアを選んでおけば、いつでもすぐにそのポーズのモデルになってくれますので、効率的です。それに、立体表現力が育てば、アクションフィギュアを参考にしなくても自然といろんなポーズが描けるようになりますよ。

次に、アクションフィギュアは衣装のシワの再現が不完全です。衣装のシワはポーズによっていろんなパターンに変化するため、固い材料で作られたアクションフィギュアでは再現することができていません。

もともとポーズありきで作られている、「可動ではないフィギュア」なら、ポーズをとる手間もないですし、衣装のシワもそのポーズに合わせて作りこまれています。模写に使うのならば、「可動でないフィギュア」のほうが適していると言えるでしょう。

フィギュアはどこで手に入れる?

フィギュアはどこで手に入れるのが良いのでしょうか?昔に比べればずいぶん手に入りやすくなりましたので、手軽に買うことができます。

インターネット通販

 一番おすすめなのは、インターネット通販です。新品から中古まで、最安値で手に入れることができます。ただし、実物を直接見ることができないので、注意してください。

中古ショップ

秋葉原の中古ショップやハードオフなどに行けば、安価でフィギュアを手に入れることができます。しかも、新品のみ扱うショップとは違い、新旧様々な商品が扱われているので、選択肢が多いです。また、実物を直接見て選ぶことができることも利点ですね。

意外な穴場

ガチャガチャやUFOキャッチャーでフィギュアをゲットすることもできます。しかもこれらのフィギュアは最近品質が良くなってきているので、意外とオススメです。ガチャガチャを何回も回すのがイヤだという人や、UFOキャッチャーが苦手だという人にも、手軽に手に入れる方法があります。ネットの中古ショップやオークションサイトを利用する手もありますし、秋葉原などにある景品を定期的に仕入れる店に行けばよいのです。

1円もかけたくないあなたには・・・

究極的に言えば、インターネットにアップされているフィギュアの画像を使うという方法もあります。これならお金はかかりません。しかし、いろんな角度から見ることができませんし、実物を見て模写することに比べて学習効果は下がってしまうので、あまりおすすめできません。結局は、安くてもいいので手に取って眺められるフィギュアを持っておく方が上達につながりますよ。

休憩

実際にフィギュア模写をやってみた

ここからは、実際に私がやってみた様子を紹介します。

フィギュア選び

下が今回選んだフィギュアです。

うろ覚えですが、300円のガチャガチャで購入したものだったと思います。私は模写用のフィギュアをいくつか持っていますが、どれも500円以下の安価なものばかりです。このフィギュアを選んだ理由は以下です。

  • 手なポーズの克服になると思った
  • 髪のかきかたの勉強になると思った
  • 俯瞰の練習になると思った

角度を決める

角度は、だいたい上で紹介した写真の角度から描くことにしました。フィギュアの動きが分かりやすい点と、足がクロスする角度が美しく、絵を描く時の参考になりそうだと思ったからです。

アタリをとる

まず、簡単にアタリをとります。コツとしては、一部分のみを描き込みすぎないことです。全体の輪郭・シルエットのバランスをとることに集中して、各パーツの位置はボヤっとした位置決め程度で良いです。


細部を書き込む

パーツの具体的な形を少しずつ決めていきます。この時も、以下所のみ描き込みを進めるのではなく、バランスを確認しながら全体を少しずつ描き込むことがポイントです。

その後、描き込みを終了し、線画が完了しました。

漫画的な効果を入れていく

絵の濃い部分にベタを入れてみました。絵全体が引き締まったように見えますね。

さらに、より立体的に見えるように、斜線を使ってかげを表現してみました。なお、この時は実際にフィギュアにあたっている室内の光を参考にして斜線を描き込んでいます。

ほかの角度から描く

全身図の模写は完了しましたが、他にも気になるパーツをいくつか同じ紙に模写してみました。模写するのはフィギュア全体でなくても、一部分のみでも効果があります。

繰り返し模写することで、だんだんと立体の形状が頭の中に入ってきます。その結果、同じような形なら何も見なくても立体的に描けるようになってきます。特に気になるパーツに集中して、たくさんの角度から模写してみるのもよいでしょう。

■まとめ

今回は、立体表現力を向上するために特に有効なフィギュア模写を紹介しました。また、記事のなかで実際に私がフィギュア模写を実施している過程を紹介しました。以下にまとめてみましょう。

  • フィギュアを模写することで、立体を絵で表現する力がつく
  • 頭の中に立体がインプットされ、何も見ずにいろんな角度から立体が描けるようになる
  • フィギュア自体のクオリティは気にする必要がない
  • フィギュアは安価で手軽に手に入れることができる
ミカ
ミカ
この方法なら結構カンタンに立体を描けるようになりそうだね!
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チュンすけ

チュンすけ

漫画家、兼イラストレーター。 漫画・イラスト制作の指導もしています。 2019年から脱サラし、念願のイラストレーターとして活躍中! 詳しいプロフィールはこちら

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