イラストを描いたけどなんとなく気に入らなかったり、完成間近になって修正が増えて時間がかかったりすることはありませんか?実は、ラフ画を正しく描くことで、そういった問題を防ぐことができるんです。今回は、ラフ画を描く意味と、その描き方についてご説明していきます。
目次
ラフ画の意味
まずラフ画のことがよくわからないという方のために簡単に説明します。
ラフとは英語のroughのことで、「荒い」という意味です。ラフ画とはその名の通り、「荒く」描かれた絵のことです。
なぜ荒く描くのかというと、時間を節約したり、枚数をたくさん描いたりするためです。ふつうラフ画は、これから描こうと思っている絵を試しに描いてみることに使われます。つまり、「絵の設計図」のような役割なんですね。
絵を描くのには時間がかかります。しっかり時間をかけて書き込んだあとで「この絵、なんかイマイチだな・・・」となり、やりなおしになってしまうと時間がもったいないですよね。だから、試しに「荒く」描いたラフ画で、これから描こうとしている絵が、時間をかけて描いていいものかどうかを確認するのです。また、ラフ画を手早く何パターンか描いてみて、その中から最も気に入ったものを採用するというやりかたもよくつかわれます。
ラフ画の描き方
ラフ画はとにかく時間をかけず素早く描くことが最低条件です。ですから、無駄なものを描かず、必要な物だけを描くことを心がけなくてはなりません。では、必要なものとはなんでしょうか。それは、以下に示すようなものです。
- 構図や大きさ
- ポーズ
- 顔のアタリや表情
- メモ書き
メモ書きとは、ラフ画の横などに描いておく覚え書きのことです。絵に集中していると、描き始めの時に考えていたアイデアや設定などを忘れてしまうことがあります。ですから、ラフ画に出てこない情報で、忘れたくない情報は文字の形で残しておくのです。こうすれば、ラフ画を見返すたびに思い出すことができますよ。
実際にラフ画を描いてみた
この章では実際に私がラフ画から線画を完成するまでの工程を見ながら、ラフ画の描き方を見ていきましょう。
まずは最初のラフ画です。
ここでは、本当に必要なものだけを描いています。人物の配置、ポーズなどです。それから、上からお金が降ってきている絵にしたかったので、アイデア程度に描いています。このラフ画を描くのにかかった時間は2,3分程度です。
次のラフ画です。
先ほどのラフ画の線を薄くして、別レイヤーでその上をなぞるように詳しいラフを描いていきました。描いている途中でポーズが変わったり、机やいすが追加になったりしています。新しいアイデアがひらめいたらその都度ラフ画に盛り込んで、イラストをどんどん良くしていきましょう。この段階で、線画の清書が開始できるところまで線をブラッシュアップします。
次は線画の清書です。
先ほどと同じように前の段階のラフの線を薄くして、上からなぞっていきます。
出来上がった絵が上の画像です。札束や原稿用紙は主線がありませんので、ラフを見ながら直接色を置いていきました。
ラフ画を描く時にやってはいけないこと
時間をかけすぎない
絵を描き始めると、ついつい楽しくなってしまい、どんどん書き込んでしまいがちです。先ほども説明しましたが、ラフ画にたっぷり時間をかけてしまった後で、気に入った絵にならなかったり、たくさんの修正や手戻りが発生したりしてしまいます。ラフ画はラフ画と割り切って、5分以内で描くようにしましょう。
ラフ画を直接線画にしない
線画を清書するときは、ラフ画を直接ブラッシュアップするのではなく、ラフ画とは別の新しいレイヤーを作成して線画を描きましょう。上で説明した私の作業例を見ていただけるとよくわかると思います。
なぜ別レイヤーにするかというと、後になってラフ画に立ち戻って確認したいことが出てくるからです。ラフ画を描いている段階は、これから描く絵についていろいろとイメージを膨らませている段階であり、様々なアイデアやニュアンスがラフ画に表現されています。ラフ画を直接線画にしてしまうと、これらの情報が失われてしまうのです。線画を清書するときは、必ず新しい別レイヤーで清書しましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は、ラフ画の意味と描き方についてご説明しました。正しく描くことができれば、あなたのイラストが上手くなることはもちろん、時間を効率的に使うこともできるはずです。ぜひ試してみてくださいね。
チュンすけ
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