有名な画家は左利きの人が多い、という話をあなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。逆に考えると、私たちも左利きになることで絵を上達させることができるのではないでしょうか。今回は、私が実際に左利きになってみて、絵が上手くなるかどうかを実験してみた結果と考察を紹介します。
目次
左利きの偉大な画家たち
世界的に評価される画家には、左利きが多いという事実があります。
例えば、左利きのレオナルド・ダ・ヴィンチは、モナ・リザや最後の晩餐などの絵画の大傑作を残しています。また、絵画以外にも音楽、建築、科学、数学など、数えきれない学問で天才的な才能を発揮していたといわれています。
他にも画家で言えば、ピカソ、ミケランジェロ、ラファエロ、レンブラントなど、たくさんの人物が左利きでした。画家以外でも、音楽家ならベートーベンやモーツァルト、作家ならニーチェやゲーテ、科学者ならアインシュタインやニュートンが左利きでした。
もともと左利きが人口全体に占める割合は少ないです。しかし、有名な芸術家が左利きである確率は、とても高いのです。このことから、左手を使うことが芸術関係の能力に大きく影響していることがわかりますね。
つまり、「左手をたくさん使えば、絵が上手くなる」のでしょうか!?そんな思い付きから、私が絵初心者の学生のころ、今回の実験をしてみました。
左利きにすると絵が上手くなる理由
おおまかに言えば、脳は右側と左側に分かれており、それぞれで役割分担を行っています。
左脳は人体の右半身、右脳は人体の左半身を制御することが知られています。逆に言うと、左脳は右半身が行ったことの刺激を、右脳は左半身が行ったことの刺激を受け、学習を行います。だから、左手をよく使う人は右脳が発達しやすいのです。
機能の面から見ると、左脳は主に論理的な思考や計算をする機能をもっています。右脳は感情表現や芸術的感覚、空間や立体の認識をする機能を持っています。だから、右脳のはたらきが活発な人は芸術関係で能力を発揮できるわけですね。
以上のことから、左利きの人は右脳が発達しやすく、芸術的な能力を成長させやすいということになります。
実際に左利きに矯正してみた
私が左利きになるためにしたことは、いたってシンプルです。いままで右手でやっていたことをすべて左手でするようにしました。
絵を描く時はもちろん左手でペンをにぎるのですし、ご飯を食べるときは左手でおはし、右手でお茶碗を持つようにしました。ほかにも家の鍵をあけるのも、ガス台のツマミを回すのも、フライパンを握るのもすべて左手です。重要な書類を記入するときなどをのぞき、生活を完全に左手中心にしました。
この方法を続けることによって、3か月後くらいには左手中心で問題なく生活できるレベルにまでなりました。文字や絵を左手で書くことも今では簡単にできます。
左利きになって絵は上手くなったのか?
さて、肝心な結果についてですが、絵は上達したと考えています。実際に、左利きになる前と後の絵をお見せしましょう。
まず、左利きになる前です。
下手な時の絵を誰かに見せるのはなんとなく恥ずかしいですよね・・・。
そして、下が左利きになった後です。上の絵を描いた後の3か月後くらいに描いたものです。
どうでしょうか。左利きになった後では、人物を立体的に描けるようになっているように感じます。
左利きになってみて変わったこと
左利きになってみて、絵を描くことに関係する考え方に変化が起こりました。これらが絵が上達した直接的な原因かもしれません。いくつかをご紹介します。
世界の見え方が変わる
左利きになる前は、目で見たものを言葉で理解していましたが、左利きになった後は形や色で理解できるようになりました。
言葉でどう説明してよいのか難しいのですが、具体的に例えを言うと、左利きになる前は、目の前を赤いセダンが通っても白いワンボックスカーが通っても、「あれは車だ」と理解していました。つまり、2台の車を「車」という名前で認識していたのです。
しかし、左利きになった後は「あれはこういう形の物体、色はこの色」という風に、形や色を使って認識できるようになりました。しかも、単に「赤」とか「白」とかいう「色の名前」ではなく、色そのものを認識することができるようになりました。
三次元⇔二次元の変換が簡単になった
三次元の立体を二次元の紙に線で表現しようとしたとき、どのような線で書けばよいのかを、ペンを走らせる前に頭の中で分かるようになりました。いうなれば、白い紙の上に想像で線を引くことができるようになった感じです。
結果的に、一発で理想の線を引けるので消しゴムを使う回数が減りましたし、いわゆる「迷い線」がなくなりました。
他人の作品からの学びが多くなった
ひとの作品を見ているとき、以前は見過ごしていたような点によく気づくようになりました。イラストの制作者が工夫している点や、自分の絵にも応用できる技術などが自然と目につくようになりました。おそらく、右脳が働くようになり芸術的な感受性が活性化したのだと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、左利きに矯正して絵が本当に上手くなるか実験した結果を紹介し、本当に上達することを明らかにしました。模写などの絵の練習のほかに、日常的に左手を訓練することで、画力が伸び悩んでいる人も絵を上達させることができるでしょう。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
チュンすけ
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