前回は、ラノベ表紙風に女の子の髪を描く方法について紹介しましたが、今回も引き続き「簡単にラノベっぽく描く」シリーズです。
人物を描くときに、いちばん力を入れなければならないところはもちろん、顔!その顔の中でも最重要なパーツが、目です!目は、絵師の個性が最も現れるパーツであり、絵師の評価に大きく影響するパーツです。また、目がイラスト全体の印象を変えるといっても過言ではないでしょう。
そんな重要パーツですが、ここでは光の反射を意識した画法を用いて
簡単にラノベっぽい目を描く方法について紹介します。
目次
目を描くときの基本
目のパーツ構成
さっそく具体的な描き方を話したいところですが、まずは基本から押さえていきましょう。あなたが中級者以上であれば、ここは読み飛ばしてください。
マンガ・アニメなどの人物を描くとき、目は下の図の通りのパーツから構成されます。
女の子を描くときは、特に以下のことに気をつけると、かわいく見えますよ。
- 上まぶたは太めに描く。
- 黒目はタマゴ型にする。
- 目じり、目頭の端はグラデーションにして顔の肌になじませる。
目の描き方の種類
目の描き方の種類はいろいろとありますが、私は2種類を意識しています。
パッチリと、ジト目です。
ぱっちりは、上まぶたが黒目の上辺よりも上にあります。明るいキャラクター、幼いキャラクターの描き分けに使います。
ジト目は、上まぶたが黒目にかかっています。かかり具合でいろいろな表情を作ることができます。クールなキャラクター、大人っぽいキャラクターを描くときに使いましょう。
今回は、ぱっちり目の描き方を解説していきます。
線画作成
ラフを描く
まず、アタリをとります。
顔のラフの中に、顔の中心線と目の位置を表す線を十字に入れます。目の大まかな位置をとるものなので、キレイに線を引く必要はありません。
目がどっちを向いているかを想像しながら、絵全体のバランスをとってください。
上まぶた、黒目を描きました。私は下まぶたを点で位置取りする癖がありますが、ふつうに横線で位置をとったほうが分かりやすいと思います。
手戻りがないように、左右反転もしながら納得いくまで書き直してください。
↓左右反転のやりかた
クリンナップ&ペン入れ
すこしクリンナップしました。
表情の雰囲気をつかむため、ハイライトや瞳孔も書き込みましょう。
最終調整です。ペン入れできるまで細かく形を調整します。
上まぶたの太さを調整しましょう。黒目の上あたりが一番ふとくなるようにするとバランスが良いです。
ここが一つ目のポイント!
奥側にある目は、手前側の目より幅が狭く(縦長に)なるようにしましょう。
遠くにあるものは小さく見えることと、人の顔は円柱型になっているため
奥側の目のほうが角度がつくので、幅が狭くみえるわけです。
ペン入れしました。
- 上まぶたは輪郭だけ描きましょう。
- 上まぶたの両端は開いておきましょう(あとで軽く見せる処理をします)
- 黒目の下側は開いておきましょう。
黒目の線画の下側の、開いた部分は軽い印象になり、ラノベのポップな感じにあった雰囲気になります。ラノベ絵を意識するなら、しっかりチェックしておきましょう。
着色
下塗り
ここからは、目の部分のみをズームアップして説明していきます。上まぶた、白目、黒目それぞれのレイヤーを新規作成し、下塗りをします。塗った後は、あとあとの塗りをラクにするため、不透明度保護をしておいてください。
まずは白目を塗ります。
上まぶたの下を灰色か青系の色で塗ります。それ以外のところは白か白に近い灰色に塗ってください。
色の境界はエアブラシか、なじませツールを使ってスムーズにします。
白目と肌色の境界をぼかします(上図の矢印のところ)。
これをしないと、白目が目立ちすぎてしまいキツイ印象になってしまいます。
(あえてそれを狙うのもアリですが・・・)
不透明度保護してあるので、肌色のブラシで白目レイヤーの境界付近をなぞるだけでできます。
黒目のベースを塗ります。上に暗い色を、下に明るい色を塗ります。明るい色は、鮮やかな色を選ぶようにしてください。
ちょっと怖いですがこれで合ってます。レイヤーを新しく作成し、瞳孔を書き込みました。瞳孔は、黒目の下地よりも暗い色にします。また、瞳孔のふちを暗い色でふち取りすると、メリハリがついて見えます。
新しいレイヤーを作り、黒目の上のほうに影をつけました。
影のレイヤーは塗った後、不透明度を調整してちょうどよい雰囲気になるように調整します。
ハイライトを入れました。
ハイライトは、線画レイヤーよりも上に新しくレイヤーを作って、線画の上から白を入れるほうがそれっぽくなっておススメです。
また、黒目の下部に虹彩っぽい模様を入れました。
リアルさを出す
ここが二つ目のポイント!
レイヤーを新しく作成し、黒目の上部に水色を入れます。このレイヤーも線画より上に作成することをオススメします。これは目玉が空の色を反射しているのを再現しています。形はランダムでもよいです(厳密にいうと、建物や木々の間からのぞく空の形にするとよりリアルになります)。
そのままだと水色が浮きすぎてしまうので、水色レイヤーの不透明度を下げて薄くします。
これによってグッと目の透明度・みずみずしさが引き立ったのがわかるでしょうか。
ここが3つ目のポイント!!
瞳に映り込んでいるものを書き込みます。
これによってリアリティと臨場感を出すことができます。
ここでは窓の形を描いていますが、人物の周りにありそうな光っているものならなんでもOKです。
(例えば、屋根、海、夜景の光など)
不透明度を下げ、馴染ませました。
黒目はこれで完成です。
仕上げ
上まぶたの色を調整します。上まぶたの両端はうすく(肌色に近い色に)、真ん中あたりは濃い色に(黒に近い色に)塗ってください。両端を薄い色にすることで、上まぶたが浮きすぎず肌になじみます。これをしないと、肌から飛び出た感じになってしまいます。
線画レイヤーを不透明度保護します。線の端や毛先にあたる部分(上画像の矢印の部分)の線画をこげ茶色で塗ります。これによって、毛先の細い感じを強調し、肌になじませます。
二重まぶたの線画を焦げ茶色にします。
これも肌になじませるためです。
なじませる工程が何度か出てきましたが、イラストのキツイ雰囲気をなくすためにとても重要な工程です。いろいろと応用してみてください。
これですべての工程は完了です。
完成!
目以外の部分も塗ってこのようになりました。
ラノベっぽくなったと思いますが、どうでしょうか。
ちなみに、髪の描き方は前回の記事と同じテクニックを使っています。
最初でも言いましたが、目はイラスト全体の雰囲気を決めてしまう大切なパーツです。
ばっちり仕上げて、あなたのイラストを素敵に演出しましょう!
チュンすけ
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